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【読書】2018年に読んだ本で一番おすすめなのはコレだ!〜小説編〜

皆さんこんにちは、おすすめ書第二弾は小説編です。

前回の随筆編もぜひ読んでいただきたいですが、今回紹介する小説は今年読んだ中で最もおすすめな本となっておりますのでぜひお読みください!

ページ最下部に僕の解釈も書いてありますが、まだ自分で読んでいない方は上部からお読みください!

 

 

伊豆の踊り子川端康成

はい、何故今年まで読まなかったのか後悔した作品ですが、この小説、何が凄いかって一つの文学作品としての完成度が非常に高いんですよね。

大体40ページぐらいしかない短編なんですが、その中に詰まっている細かい工夫が凄いんですよ。

とりあえず読んでくださいと言いたいところですが、とりあえず読んだだけではただの恋愛小説の様に思えるかもしれません。

がしかし、深く読んでいくとこの作品は恋愛小説などではなく、語り手のとんでもない考えが浮かんでくるんですよね。

40ページだけだから流し読みしても全く面白くないと感じるはずです。

それは何故か、話の内容としては平凡でつまらないからです。

確かに物語としては面白くないです。

それなのに何故ノーベル文学賞川端康成は受賞できたのか。

これはおそらく彼の文学的センスというか、文学という暗号化された世界を復号した時に現れる隠された主題が素晴らしいからです。

40ページだけだからといって舐めてかかると痛い目を見るこの短編小説ですが、週末だけかけて理解するということは到底不可能なはずです。

冬休みなどの長い休暇を利用して分析してみないとこの作品の面白さは分かりません。

あとちなみに、僕がここで僕自身の解釈を載せないのには理由がありまして、僕の解釈を見てからこの作品を読んでしまうと、そうとしか考えられなくなってしまうからです。

くれぐれもインターネットでチートをせずに、自分の力で分析をしてみてください。

それから他人の解釈と比較しながら自分の解釈を徐々に変えていけばいいと思います。

最初から人の解釈を注入されてしまっては文学の真の面白さは分からないと思うので、ぜひ最初は一人で頑張ってください。

(以下に僕の解釈があるので本当に分からなかったら読んでくれて結構です)

Amazon

https://www.amazon.co.jp/伊豆の踊子-新潮文庫-川端-康成/dp/4101001022

僕の解釈

この作品の主題は:「青春のエゴイズム」です。

作者の背景、そして語りから、この作品の主人公は「孤児根性」に歪んでいると自分を咎め、そんな自分を直すために伊豆に旅に来たという感じがします。

そんな中、主人公は踊り子一行と出会い、一緒に旅をします。

そこで主人公は踊り子と仲良くなり、気になっていくのですが、主人公は踊り子のことを本名の「薫」とは呼ばずに「踊り子」という社会的階級で呼びます。

つまり、主人公は踊り子と旅をしている最中も常に社会的階級を意識し、エリート学生である自分を上に見ています。

また、「物乞い旅芸人村にいるべからず」という看板があったという事実は示されていますが、そこに伴う主人公の感情は語られません。

この看板があるという事実が書かれるということは、必ず語り手にとって感じる何かがあったはずですが、何を感じたのかは書かれないというのは異常です。

これはおそらく、主人公が踊り子との社会的格差を意識していることを示していて、ここに語り手のエゴイズムが現れています。

さらに、最後の引き止めに応じず、東京へ帰ることを決めた主人公は、自分にとって用済みになった踊り子達を捨ててしまうというエゴイズムがあります。

しかしながら、主人公はあたかも踊り子と分け隔てない様に接しています。

これは何故か。

最初に書いた通り、主人公はそもそも「孤児根性」に歪む自分を治す、もしくはエリート社会で疲れた自分の回復の為に旅に出ています。

そこで通常は差別されている踊り子達に差別がない様な接し方をすることによって、「いい人」と言われます。

つまり、主人公は「いい人」と言われることによって、自分が「孤児根性」で歪んでいないことを確認しているのです。

だからこそ主人公はいい人の様に振る舞いつつも、最後には関係が深くなりすぎない様に東京へ帰ることを決めたのです。

ここに主人公のエゴイズムがあると僕は考えます。

という軽い解釈でしたが、おそらくもっと深読みすればまだまだ解釈の余地はあると思います。

ぜひ皆さんもそれぞれの解釈をして、コメントで教えていただければ幸いです。

長々と書きましたが、この解釈が全てではありません。

様々な解釈ができるのも純文学の面白さです。

それぞれの解釈に価値があり、自分が最も合意できる解釈を見つけられればいいと思います。

ということで、次回は戯曲編です!